設計理念

シンプル&多様に、デザインしよう!

私たちは、シンプルながらも多様性を感じさせる建築を、志向しています。

現代社会は、モノの豊かさから、ココロの豊かさを求めて急速に変化しつつあります。ココロの豊かさを感じる建築を実現するには、機能や効率の追及だけでは、充分ではありません。私たちは、面積や性能など、数値で評価できる価値はもちろん、人が感覚で評価する価値を建築化したいと考えています。

ところで建築は、様々な条件の上に成り立っています。シンプルにデザインするということは、お施主様との対話を通して「その建築に必要な価値はなにか?」「その建築に対して求めているものは何か?」を丁寧に、そして素直に選んでゆくことです。

その答えとして実現された建築は、常に同じではありません。人・場所・時代にあわせ、様々に異なります。

シンプルにデザインするということは、自ずと多様な建築を設計することに他ならないのかもしれません。

そうやって創られるシンプルで多様な建築は、なにげない心地よさが感じられ、いつのまにか笑顔に溢れる、そんな豊かな建築なのではないかと考えています。

光を、デザインしよう    ≫
明るい太陽の光。
それは建築にとって、一番大切なものです。
太陽の光は、日々のくらしを健康で快適なものにします。 一方で、季節や時間ごとに刻々と変化するものでもあります。

冬のあたたかな陽光は、低くやさしく差し込みます。 夏の強い日光は、高いところから強く照りつけます。

その性格を活かしてうまくコントロールすること。
それが「光を、デザインする」ことです。

私たちは、都心・郊外や、住まいやオフィスにかかわらず、どんな敷地条件であっても、常に光を大切に考えて、建築を設計します。


風を、デザインしよう    ≫
風は、私たちに季節を運んできます。
春のぬくもりや、秋の涼しさを運んできます。 夏の夜の涼しさ、よく晴れた日にはさわやかさなど、 さまざまな恵みを私たちにもたらしてくれます。
でも、時には、台風のように凶暴になったり、 北風が冷たく凍りつかせることもあります。

空間を快適に保つためには、うまく風をコントロールしなければなりません。

風の道や風の量を考えながら、 好きな時に好きな分だけ風を導ける必要があります。
豊かな建築を保つために、風のことを大切に考えて設計したいと考えています。


四季を、デザインしよう   ≫
日本には、「四季」という固有の風土があります。
春の花吹雪、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色・・・

「四季」は、生活にいろどりを添えてくれる、私たちの宝物です。

そして、日本の伝統建物では、四季の移ろいと寄り添ってくらすための様々な工夫が培われてきました。 季節によって自然とのつながり方を変えられる縁側空間、日射を調節する深い軒、室内に緑を取り入れる坪庭など。

そういった先人の知恵を取り入れ、それらを現代的にデザインし、エアコンやストーブなどの現代技術を過信することなく環境と調和できるような空間をつくること。 そして、緑を感じ、四季を視覚的にも楽しめる空間をつくること。私たちは、そんな風にして、四季を楽しめるよう、建築を設計したいと考えています。


ひろがりを、デザインしよう ≫
空間の広さは、建築を造る上で重要な要素です。私たちは平面的な広さではなく、空間的な広がりを大切にしたいと考えています。
例えば、同じ床面積の部屋であっても、吹抜けを造ることによって、ゆったりとした心地良さを作り出せるかもしれません。

例えば、どんなに小さな狭小住宅であっても、スキップフロアを駆使して縦方向に空間を使えば、面積以上に豊かな空間を生み出すことはできます。

例えば、単なる白い部屋の中に、青空がキレイに見える窓があれば、空間の閉塞感からは一気に開放されます。

私たちは、視線の抜けや、建築における空間の関係性をしっかり考えながら、空間の「ひろがり」を設計します。


つながりを、デザインしよう ≫
建築を設計するためには、その建築をとりまく人のつながりを考えることが欠かせません。
すまいを事例として考えてみます。
リビングと子供部屋の間取りを考えることは、家族のあり方を考えることかもしれません。部屋の窓の位置を考えることは、心地よいご近所づきあいを考えることかもしれません。

レストランやショップを事例として考えてみます。
お店の中をどのようにデザインするかは、どうやってお客様をおもてなしし、お店のことを気に入っていただくことを考えることかもしれません。

教育施設を事例として考えてみます。
各学年のクラスルームの配置を考えることは、子供たちが先輩や後輩と、どのように接してゆくかを考えることかもしれません。

私たちは、どんな建築であっても、その建築における人のつながりを意識して、設計を進めます。


風合いを、デザインしよう  ≫
日本には、風合い、風情という言葉があります。
風合い・風情とはなんでしょうか?
光の入り方、緑を感じられること、空間のつながり方もその一つかもしれません。

あるいは、光のうつろい方、緑が風にそよぐ様子、空間を歩いた時のシーンの展開なのかもしれません。

仕上げの素材感も大切な要素かもしれません。
それに触れた時の一瞬の感覚や、自然素材が年月の経過とともに表情を変えてゆくことも、風合いなのかもしれません。どんなにデザインがモダンであっても、畳がいいなと感じる心も、ある意味その具体例かもしれません。

建築には、いろんな長さの時間が流れています。

その時間の流れをイメージしながら設計すること。
それが風合いを設計することだと考えています。


将来を、デザインしよう   ≫
建築を建てることは、将来をかたちづくることでもあります。建築は少なくとも数十年、長いものだと数百年もの間、建ち続けます。
建築が永く建ち続けるためには、当然のことながら、構造性と耐久性をしっかり保ち、地震や気候などの外部環境にしっかり耐えることがまずもって大切です。

でも、その間、建物を取り巻く環境は、どんどん変わってゆきます。時間の流れに耐え忍ぶことだけが唯一最善の方法とも限りません。

年月の経過や、それに伴う環境の変化に合わせて、 ゆるやかに変わってゆけること。必要に応じて修繕したり、生活の変化に合わせて改修できること。 そのためには、建築がそれだけの価値を持つことが、なによりも欠かせません。

そのために私たちは、年月に耐える強さをもちつつ、お施主様が自信を持てる、そんな建築を目指しています。