Works

Fit建築設計事務所の竣工作品

立体的につながる京町家

京都市内における、住宅の計画である。

本計画敷地は、京都においてよく見られる、間口2間(3.6m)の鰻の寝床状敷地で、両隣には建物が間近に隣接する。
間口が狭いため、通常の在来木造工法ではプランの制約が大きすぎると判断し、重量木骨造(SE構法)を採用した。
これは、木材と木材を金物で剛接合することによって、必要な耐力を得られるという特殊な工法である。

ところで、この計画では、間口3.6mという細長い空間をなるべく広く、そしてゆったりと見せることが、最大のテーマであった。
プランニングに関しては、1階にダイニングと、2階にリビングを上下に積んでレイアウトしているが、それらが「一つの大きなLDK空間」として一体感を感じられるように設計を進めた。
それらが一体的に利用されることを目指して、ダイニングとリビングの間に中2階を設け、畳コーナーとした。
また、1階~2階が一体の空間であることを、視覚的に強調するために、室内の壁の1面を、カバ桜の無垢材によって仕上げることとした。

ちなみに、3階には個室がレイアウトされているが、法令上許容される容積を最大限活用するために、3階にはロフトを設けたほか、屋上には花壇付のルーフテラスを設けた。
そのルーフテラスからは、遠くに五山の送り火を望める。

CATEGORIES

注文住宅, 3階建て以上, 都市型住宅

敷地

京都府京都市

竣工

2012年6月

敷地面積

46.19㎡

建築面積

32.27㎡

延床面積

99.46㎡

写真

内城祐樹