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Fit建築設計事務所のブログ

現在、社会は「縮小」しています。これは、いまの不況に関係なく、今後ずっと続くことだと思います。ただし、「縮小」することは、必然的な自然現象なので、決して悪いことではないと気もします。必要なことは、如何に「豊かに縮小」するか?ということかもしれません。
今回は、建築ではなく経済に関する話題を書いてみます。ちなみに、経済学については全くの素人なので、間違っていてもご容赦を。
 今の経済状況を例にして考えると、経済の「縮小」を、豊かに変える一番の方法は「膨張」、すなわち赤字国債の発行増によるインフレーションの発現だと思います。これによる第一のメリットは、赤字国債によって、公共事業や交付金が増え、社会の仕事量が増えることです。第二のメリットは、国内の流通通貨量が増えることによる、円安化です。今は外貨価値の値下がりの方が顕著なので、円安要因は皆にとってプラスに働くはずです。特に輸出企業にとっては円高を食い止めることは死活問題でもあります。
 一方で、デメリットもあります。一つ目は、物価の上昇です。でもこれについては、理論上は給与所得も追従して上がるはずなので、大きな問題ではありません。ふたつ目のデメリットは、貨幣価値の下落にともなう「貯蓄資産価値の目減り」です。でも実は、別の見方をすると、これによってダメージを受けるのは、一部の富裕層だけです。それ以外の大多数の人にとっては、デメリットよりメリットの方が大きい気がします。逆にいえば、限られた富裕層が持つ貯蓄資産を、社会に還元・再配分するきっかけになるかもしれません。
 最近のニュースをそういう目で見てみると、どんどん赤字国債が発行されて、来年度の予算規模が増えてゆく報道をよく目にします。報道では、「財政悪化」という切り口の論説ばかりが目立ちますが、その切り口は本質の表面しか表していない気がします。財政悪化以外の様々な影響を詳しく解説しない理由は、デメリットを被る富裕層に配慮しているからなのでしょうか?なんとなく、報道に政治的意図を感じる気もします。とにかく、この「膨張」が、結果的に社会を活性化して、豊かな「縮小」を導いてくれるといいですよね。
 
「豊なる縮小」。今日は経済の話でしたが、もしかしたら創造のヒントになり得る可能性も秘めている気がします。

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