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Fit建築設計事務所のブログ

最近たて続けに、3件のマンション用土地のボリューム検討をお手伝いしました。
土地にはそれぞれ容積率・建蔽率が決められていて、それによって採算性事業性に大きく影響することは皆さんご存じのとおりです。
ところで、土地の価値を決める法規はそれだけではありません。絶対高さ規制のある地域や、隣地に日影を落とさないような規制もあります。また、道路や隣地の斜線制限によって高さが規定されています。場合によっては、容積率いっぱいまで面積を使えないケースも多く発生します。
 一方で、様々な規制緩和も用意されています。まず、代表的なものは「天空率」。これは、道路車線や隣地斜線を緩和するもので、平成15年に導入された制度で、専用のソフトによって空の割合を計算するというマニアックな内容ですが、最近では割と多くの物件で利用されているようです。
他にも、屋上緑化による容積の緩和制度もありますし、バリアフリーによって容積を緩和する制度もあります。さらに、平成9年からは、共同住宅の廊下や階段は容積から除外できることになりましたし、ロフトは一定の要件を満たせば容積に入らないことになっています。さらには、東京都の場合は、地域ごとに特定の用途であれば容積を1.2~1.4倍まで緩和する制度なども存在しています。
 これらの法的テクニックを駆使できるかどうかで、土地の価値が大きく変わってしまいますが、かといって土地売買時の重要事項説明書だけですべてを把握できる内容でもありません。つまり、潜在的で「見えない価値」といえるかもしれません。
 規制緩和されて以降のここ数年、もしかしたらこの規制緩和こそが、不動産バブルを招いた一因かもしれませんが、この不動産不況の時期にこそ、こういった手法をさらに活用して、土地を価値を最大化することは、買主と売主双方にとってメリットが大きいことかもしれませんね。

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