建築士定期講習
昨日は、建築士の定期講習を9時半~17時半までみっちり受講してきました><
この定期講習は、姉葉事件を受けて平成20年11月施行の建築士法改正により初めて導入された制度で
建築士登録事務所に勤めている建築士は、3年に1回ずつ受講しないといけなくなりました。
この講習制度は、「天下り団体が潤うだけの無駄な制度だ」などという批判の声も多く聞いてましたが、実際に受けた感想としては、思っていたより有意義な講習で
・建築士法の解説
・最新の関連法規の解説
・雨仕舞に関する物理的原理
などの講習を受けました。
なにはともあれ、全国に35万人以上いると言われてる一級建築士のうちの何人が
実際に建築士として働いてるかすら、いままでは把握できていなかったので、
少なくともそれが分かるようになるだけでも大きな進歩ではないかと思います。
あと、一番印象的だったのは、
「【設計監理】と【施工管理】は、根本的に立場が違う」という、
あたりまえのようでいて、実は一般にはあまり認知されていないことを、
講師の先生が熱弁していたことです。
ちなみに、
【設計監理】・・・「何もないゼロの状況から、施主の要望に基づいて設計図面を作り、
図面通りに工事がなされているかを確認すること。
【施工管理】・・・「設計図面に基づいて工事金額を見積もりし、図面に定められた内容の建物を
作るために専門業者や職人を手配し、その品質管理を行うこと」です。
日本では、ハウスメーカーやゼネコンなど、設計施工一体で建てられる比率がとても多いのが従来の状況です。
設計と施工を「一体」で発注するか「分離」で発注するか、互いにメリットとデメリットの両面がありますが、一昔前までのように高度成長の大量生産時代においては、設計施工一体の方がメリットが大きかったということなのだろうと思います。
でも「量から質へ」の転換が急がれる中、消費者利益を守り、多様な価値観に対応してゆきつつ、
消費者の建築意欲を刺激して業界自体も活性化してゆくためには、
今後は、設計と施工をしっかり分離してゆくことが必要ではないかと改めて感じました。
というのは、
収益構造が建主と利害相反関係にある施工会社が、設計も一体で行うことは
顧客利益を尊重するという観点に立つと、どう考えても根本的に成立しえないと感じるからです。
ご高齢の建築士や、見るからに先生オーラのある建築士や、ゼネコン勤めの建築士など、
様々な立場の建築士が混在する前で、講師の先生が、もっとも基礎的な建築士の心構えを熱弁していたのを見て、私たち自身も一般消費者に向けて、もっと丁寧に自分達の役割を説明してゆかなければいけないなと思った今日この頃でした。
というわけで、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。