浅草文化観光センターコンペ
今日、浅草文化観光センターコンペの二次審査の公開プレゼンテーションに行ってきました。このコンペは、浅草「雷門」の目の前にある文化観光センターの建替えに関する内容で、10月末に一次審査が公募され結構話題を呼んだコンペです。今回の二次審査は、一次の応募者350組の中から選ばれた7組によるものです。
私たちも応募していたのですが、残念ながら7組に残ることはできませんでした。ちなみに左の写真が私たちの提案です。私たちのテーマは、『浅草寺の「鎮守の杜」となる立体公園』です。高度に集密化された都市の中に、新たな都市公園のありかたを提案できないかとの思いで立案しました。
下の画像は、私たちの提案書。
ところで、今日のプレゼンテーションの中では、私は特に隈研吾さんの案に、さすがなるほどと納得させらました。他の案にもそれぞれ特徴があって、聞いていて面白かったのですが、複数案を比較して聞くうちに、以下のようなポイントが浮き彫りにされているように感じました。
①当選して実際の設計に入った後、さまざまな要望に対してプランを変更できる柔軟性と、それでもゆるがないコンセプトの強さと包容力があるか?
②だれが見ても「浅草らしい」と感じられる分かりやすさがあるか。
それらを実現するためには、やはりまず第一に、敷地や機能の与条件を深く分析し、合理的かつ素直に読み解くことがベースになります。そして次に、それらから抽出されたいくつかのコンセプトに優先順位を付けて、最も重要なもの一つだけに的を絞れるかどうかが大切になります。その上で、それらにそこはかとなくただよう設計者の主義や理念が、より多くの人に共感してもらえるかどうかが決め手になるのかもしれません。
私たちも普段そのことを強く意識して設計に取り組んでいるのですが、今日の公開プレゼンテーションを聞いて、改めてその大切さを感じました。
最後にもう一つ、今日は別のことも感じました。建築家の役割とは、建物を使う人(今回の場合は、区の担当者や地元住民団体)が自ら思いをめぐらし、自らの手で設計ができるようにするための枠組みやシステムを提供することなのかも知れません。「建築家」と「設計者」の職能は似て非なるもので、もしかしたらこれから建築家に求められる職能は、そういうことなのかもしれませんね。
審査結果が楽しみです♪
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